漫画・アニメ・書評から日常の愚痴まで、思いつくままの日記です。
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島倉圭「24のひとみ」
嘘つき教師と少年少女の仁義なき戦い!

「私は嘘つきです」の公言するとおり嘘をつきまくるひとみ先生。
発言が次々とひっくり返され頭が混乱します……シュールなジョーク。

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幸村誠「プラネテス」1
2074年、宇宙開発が進んだ世界、デブリ回収業者に勤める宇宙に憧れて宇宙飛行士になった主人公、星野八太郎、通称「ハチマキ」の出会う宇宙を愛するひとの物語。
アニメで宇宙のストーリーはたくさん観るようになったけれど、もっと生活に密接したリアルな問題を描いていて、とても新鮮であると共に勉強になりました。

「屑星の空」デブリによって失われる命の話。
「地球外少女」放射線に満ちた宇宙で失われる命と生まれる命の話。
「ささやかなる一服を星あかりのもとで」火気取り扱い注意の宇宙で喫煙者と過激宇宙保護集団「宇宙防衛前線」の戦いの話。
「ロケットのある風景」地球にいて宇宙を目指す少年と宇宙に出ながら道を見失った青年の話。
「IGNITION-点火-」事故により、音と光の喪失におびえてしまう「空間喪失症」に陥った宇宙船員の話。


室井大資「イヌジニン」1
古来より、ある神社で汚れ仕事を一手に引き受けていた集団がいる。死体処理、暗殺、呪術、警備…。
時代は移り、その集団は形を変え、現代まで残っていた。
気が澱み、力の均衡が崩れるときに生まれいでる「怪」。
その「怪」を人知れず鎮め、社会の表面に出さないようにする組織。
それが犬神人である。

独特な濃い絵柄とあいまって重量感のある怪奇漫画です。
キャラの絵柄も性格も濃い……とかいって女の子や少年にはすがすがしさがあって、その落差からくる迫力も凄いです。事件はどれも現実にありそうで、だからおぞましく思うと同時に解決してくれると少しだけほっとする。
「イヌジニン」「天言会事件」「マウント・メイヘム」「ザ・バインド」収録
「天言会事件」女として母として一番おぞましくて……「やっと守れた」という言葉が哀しい。
「ザ・バインド」……助かってよかった。ほんとうに。

柴田ヨクサル「ハチワンダイバー」
表のプロとは違う、賭け将棋をなりわいとする「真剣師」の青年・菅田。アマ最強を自負する彼を倒したのは、秋葉原の女真剣師だった! テンション無限大! 81マスの宇宙を舞台に繰り広げられる破天荒将棋バトル、ここに開幕っ!!!

……ということで、将棋の漫画でした。青年誌の濃さはちょっと苦手でしたが、話の盛り上がりは楽しめました。「表」から「裏」へと変わっていく主人公の変容がしびれますね。



山下和美「不思議な少年」1
それはいつの時代も変わらない人間らしい生き方。
そこに1人の少年がいた。
永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。

超人的な存在があらゆる時代・世界の人間に紛れ込んで……といった点では高橋美由紀の「エル」シリーズに似ているな、とも思ったのですが、こちらは神とも悪魔ともつかず、人の行いの善悪を判断するのではなく「観察」しようとしているところで、あくまで物語の主役は「人間」であることが面白かったです。今回はどれも救いのある話でしたが、次以降はどうなっているんだろう。
「万作と猶治郎」は「カインとアベル」をテーマに終戦直後の日本に生きる家族の争いを描き。
「エミリーとシャーロット」は19世紀末のロンドンを舞台に、それぞれ自分の道を切り開こうとする二人の少女のお互いへの葛藤を描いた。
「狐目の寅吉」は生きる目的を知らぬまま戦国乱世を駆け抜けた1人の青年を。
個人的には第一作が一番おもしろかったです。想像の姿の逆転が心地よかった。


小玉ユキ「光の海」
人魚が当たり前にように海に姿を現す世界。異文化で暮らす人魚と陸で暮らす人とのふれあいとすれ違いの短編漫画集。
「光の海」「波の上の月」「川面のファミリア」「さよならスパンコール」「水の国の住人」
どの話も暖かいのに切なくて、泣きそうになるものばかりでした。絵柄も含めて丸々好みというわけではないのですが胸に残るお話です。


小玉ユキ「羽衣ミシン」
さえない大学生・陽一は、ある日、橋に引っかかった白鳥を助ける。その夜、見知らぬ女の子が唐突に陽一の部屋を訪れ、女の子と縁のない陽一は仰天!彼女は「自分は陽一に助けられた白鳥」等というのだが、そんなことって……!?

現代版「鶴の恩返し」
「初雪」「ギフト」「女王」「雪解け」「春」番外編「かえりみち」
切なくて、ほんのり暖かいお話。
ただ、個人的に絵柄が好みではなかったです……(涙)
根本的なストーリーはすき。

谷川史子「くらしのいずみ」
「夫婦」をテーマにした短編漫画集。
絵柄はとっても可愛いのですが、相愛なのでほのぼのした雰囲気ですが、あつかっているテーマはきっかりオトナで、……ええいとにかく幸せなのです。
「染井家」「小嶋家」「高橋家」「矢野家」「島岡家」「冬木家」「早春のシグナル」
いろんなかたちの夫婦がいますが、どこの二人も素敵です。一番謎なのは染井家の奥様ですが、先は長い!ゆっくりお互い分かり合っていけますよね。


入江亜季「群青学舎」3
「学校」を小道具にした短編漫画集第三弾。
「赤い屋根の家」「続々ピンクチョコレート」「薄明 前後編」「メリー・ガーデン」「待宵姫は籠の中 前中後編」「雪降り積もる」

「赤い屋根の家」が大好きです。お嬢様と父親の部下とみせかけて親娘すれ違いの解決物。「どうみたって親子だ」っていう二人の反応が可愛いvv
「ピンクチョコレート」も話が続いてきて面白くなりました。春日くんは苦労人だ。後日談エピソードの「鬼祖父」も笑える~そうです、おじいさん、彼は大変なんですよ!
ほか、「待宵姫」「雪降り積もる」もおまけあり。


入江亜季「群青学舎」2
「学校」を小道具にした短編漫画集第二段。
「ニノンの恋」「時鐘」「北の十剣1~5」「彼の音楽」「続ピンクチョコレート」

お気に入りは「ニノンの恋」。可愛い初恋物語~vv容姿に自信がなく魔法も上手くならない魔女っ子が一生懸命に書いたラブレターの話。相手の子も良い子だしおばさんたちも可愛いし。ほのぼのします。
もう一つはファンタジー好きな私としてははずせない「北の大剣」。王位簒奪奪還、お姫様と王子様、秘めた恋、男前な性格の剣をもつ美姫、物静かで芯の優しい王子、敵と味方、美味しい要素だらけvv
金髪と黒髪も絵になりますね♪おまけエピソードもちょこちょこあって美味しい。
ほか、「彼の音楽」「続ピンクチョコレート」もおまけあり。


茅田砂胡「クラッシュ・ブレイズ マルグリートの輪舞曲」
リィ、ヴァンツァー、 ケリーとジャスミンがそれぞれ同じ時期に遭遇した事件を、それぞれの視点で見ていく新しい試みの三部作。それぞれがリンクしていて、なかなか面白かったです。

『優しい狼』
大好きな姉ドミの容姿をけなされたことに激怒したリィの恐ろしい攻撃の結果、偶然みえてきた事件。
『初戀の詩』
ジンジャーに恋人役を頼まれたヴァンツァーは、やがて誘拐事件にまきこまれ…
『怪獣の宴』
ジンジャーの舞台を見にいったケリーとジャスミンでジャスミンが誘拐された!

個人的には「優しい狼」が一番でした。リィの憤慨も、復讐の痛快さも、そこからひっくり返って見えてきた事の真相とそのおぞましさ、そして断罪。こういう事件って生理的に一番拒否反応があるだけにリィの行動が爽快でした。

追憶のカレンが新刊です。投稿日時、直せなくなったんですね。むむ、順番が…



茅田砂胡「クラッシュ・ブレイズ 追憶のカレン」
少年はグレン警部の前にやって来ると、大柄な警部をきれいな菫の瞳で、珍しそうに見つめてきた。「こんにちは。アルフォンス・レイヴンウッドです」。似ていると思ったのは最初の一瞬だけだ。短めの髪は茶色の癖毛で、シェラのつややかな銀色の髪とは似ても似つかない。肌の色も違う。声も違う。シェラの声は落ちついていたが、アルフォンスは少年特有の高くはしゃいだ声だ。要するに、明らかな別人である。「きみによく似ている子を知ってるんでね。シェラ・ファロットっていうんだが…」。少年は眼を丸くして、ちょっと唇を尖らせた。「ひどいや、警部さん。ぼく、男ですよ」。シェラ、まさかの失踪!その生存が刻々と絶望視される中、ルウのカードが隠された真実を語り出す…。

クラッシュ・ブレイズシリーズ。
今回はシエラの回で、他に主にリィとルゥの活躍があるわけですが。
………とくに突出したものはなかったような。
話に整合性がないというわけではないのですが、シリーズも長く、キャラもコレまでに良く書き込まれてきました。もともと私にとってこのシリーズは、他シリーズで活躍したキャラたちが一同に会した外伝みたいな印象がありまして、キャラの活躍のための話を書いて、その魅力をアピールしているための話が多いと思うのです。とても魅力的なキャラなので楽しめるのですが、それでも。
特に全体で大きな動きがあるわけでもなく、サザエさんワールドのようにキャラは成長せず短編を繰り返していくわけで、そうなると変化がない分どうしても飽きてきてしまうと思うんですよね。

次巻はどうなるか、楽しみです。


瑞山いつき「マギの魔法使い 若獅子は片恋中!」
「君と一緒だと、ぼくはどんどん愚かになっていく」反ウィザード組織“真実の星”に捕らわれたエメラルドは、そんなウォレスのことが気になって仕方ない。だが組織の幹部カルロスに、打倒ウィザードのため協力してほしいと頼まれ、困惑する。一方獅子の一族の若長ラグナは、エメラルドへの想いを抑えきれなくなって!?「逃がしてやる。だから―俺様の側にいてくれよ」この世界の真相も明らかに!?必読のクライマックス直前巻。

って、もうクライマックス直前?
いや、真実の星が出てきてウォレスが恋を自覚したあたりで物語は大きく動いたわけですが、「転」だったのですね。てか、物語畳むの早くないですか!?ずるずる引き延ばすよりいいですが。
カルロスがなかなか良い性格していて素敵でした、でも付き合いたくはないです。
またラドの師匠となったチスティもラド張りの科学狂な割りに、可愛いところがあって、ラドまで可愛く見えてきました。耐性がついてきたのかも。
タイトル通り、ラグナとウォレスのエメリィを巡っての攻防が多くてなかなか楽しめました。
ハルベルトの秘密も分かったところで。
ラグナの組織も動き出し、いよいよ次はラグナのターン!
……で、最終回、なんでしょうか。


船戸明里「アンダーザローズ」4
19世紀初頭。貴族が貴族たりえた最後の時代。
ロウランド伯爵家の貞潔な家庭教師レイチェル。
彼女は、次男・ウィリアムの纏う暗く冷たい闇に絡めとられ、諍うかいもなく、幾度も幾度も辱められる。
背徳の罪に絶望し、闇から逃れるために更に深い暗黒の淵に没しようとするレイチェル。
だが、彼女は知る。
ロウランド家の闇は、ひとりウィリアムのみが纏うものではないことを……

上手く表現しますね、裏表紙。
レイチェルとウィルの対決は、ロウランド伯爵とアンナ夫人のすれ違いに端を発していて。
前の巻でコレでもかとレイチェルの潔癖さを見せ付けたのは、この対決が待っていたからですね。
神を信じ愛を信じようとするレイチェルの希望が、一つ一つ消されていく。
でも読者には、否定された愛はそこにあると見えている。
もう、どろどろです。だけどこの決着が付くまで目が離せない……


船戸明里「アンダーザローズ」3
19世紀英国、ヴィクトリア朝の時代。
ロウランド伯爵家の子供たちの家庭教師に迎えられた牧師の娘・レイチェル。
彼女を待ち受けていたのは、貴族の館での苦悩の日々だった。雇い主であるロウランド伯爵の愛人関係、次々に女中を誘惑する長男からの誘惑…。
しかし、そんな試練もすべて神が自らに与えたものと受け止めたレイチェルは館の古い価値観に立ち向かい、次第に教え子たちの心をひらいていく。ただ一人を除いては……

レイチェルの牧師の娘であるが故の敬虔さは、人に押し付ける団にはちょっと……と思いましたが、子供たちと打ち解けていくシーンはそれぞれ良かったです!伯爵に奥様がなぜ冷たいのかもわかって納得。そして永久的なものでないことも。
いっぽう、ウィリアムの心の闇も徐々にみえてきたら……こうきますか!ここまでやる漫画とは思っていなかったので衝撃は大きかったです。



とりのなん子「とりぱん」
自宅に餌付けした「野鳥」を中心に、作者の日々のことを綴ったショート漫画集。

なんていうか、大事に日々を生きている人だなあと思いました。
緑の近くに住んでいらっしゃるのと、会社勤めではなく家族と暮らしているからこその時間もあるでしょうけれども、自然や動物とすごすエピソード一つ一つが、身構えていなくて優しい。
こんな暮らしが、こんな視点で周囲を見ることが出来たらいいな、とあこがれてしまうようなスローライフです。


宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」2
一巻から引き続きの30独身男ダイキチと、祖父の隠し子りん6歳の子育物語。
表紙のりんちゃんがちょっとおおきくなってるのがいい。

りんちゃんが大きくなって小学校に上がる話がでたりとか、成長を伺えて微笑ましいのですが。
なんといってもこの巻では終に謎だったりんちゃんな母親が判明。
まさこさんのところに乗り込んでいくダイキチですが……

……正直ダイキチ視線だったからかもしれませんが、私もいらいらしました。
話が続けばまた印象が変わるのかもしれませんが。

宇仁田ゆみ「うさぎドロップ」
「おれんち、来るかァ?」
享年79祖父の葬式で、祖父の隠し子りん6歳の存在を知ったダイキチ30歳祖父似。自分の家族を含め引取りを拒む親戚の話し合いに腹を立てたダイキチは、衝動的にその場でりんに声をかけ自分が育てると連れ去ってしまう。
そして独身男の初めての子育てが始まった。

いや、リアルでほのぼのします。
現実的というか、いろいろ子育てに関することもそうですが、シゴトを抱えている独身の男性が子供を持つ上での職場での反応とか、実際に考えなければいけないことで、身構えず戸惑いながらも一つ一つクリアしてりんちゃんとの絆を深めていく。
親戚だって取り立てて悪意がある人たちというわけではなく。
熱く感動的に盛り上げようというのではなく、静かに流れていくのが心地よい話。


谷瑞穂「伯爵と妖精 すてきな結婚式のための魔法」
数々の障壁を乗り越えて、やっと結婚式を迎えることとなった妖精博士のリディアと妖精国伯爵エドガー。歴代の青騎士伯爵の結婚式に必ず招待しなければならないという5人の妖精から祝福を受けたが、実は6人目の妖精がいて、「結婚式など台無しにしてやる!」と宣言されて!?昔、エドガーと何かあったらしい少女も現れて、雲ゆきはどんどん怪しくなり…。二人の結婚式、何かが起こる。

伯爵と妖精シリーズ。
間の感想はあきらめて最新刊。
ついに結ばれました、リディアにエドガー。来るときはわりとあっさり来るのですね。「コラフェリ」のときと同様の感慨が……
今回は事件といっても結婚式のお祝いのようで、終始ほのぼのと見守れました。
逆に周囲のカップリング具合も盛りだくさんでそちらも楽しめます。逆に彼女は出ませんでしたね。ケルピーとくっついて欲しいところなのです。
まだまだ不安要素はあるけれど、リディアとエドガー二人で乗り越えていって欲しいです。
今後エドガーの台詞がどう甘くなっていくかも楽しみ♪セクハラじみそうですが……


伊東京一「バード・ハート・ビート舞姫天翔!」
チビで目つきの悪い少年テオの夢はここ、巨鳥が棲む渓谷の国ラビーヌで競鳥騎手になること。だが現状は、空を翔けては落っこちて幼なじみのララにからかわれてばかり。ある日、愛鳥を駆るテオが出会ったのはケガを負った大バトと異国の少女リーン。初対面で突然蹴られて鳥を奪われかけたのに、放っておけないテオは彼女を町へ連れ帰る。やがて「どうしても天都へ行く」と言い張る彼女を送り届けることになったテオは!?大空を羽ばたく恋と冒険のファンタジー。

爽快な少年漫画の王道!…小説ですけれど。少女小説そいうジャンルはあってもこの場合どういうんだろう。
再び空と少年少女の逃避行。
ただしラブ度は低め、競鳥にあこがれる少年テオはまだまだ「ガキ」で彼の成長物語でもあるかも。……このあたりがジャンプみたいな少年誌の王道モノみたいで、まだまだ続きが楽しみです・
今度は空といっても断崖絶壁が何万と連なる渓谷の国。そのため交通手段である巨鳥である。……これが怪鳥ではなく、姫笠ツグミやら大バト蛍コマドリ白チョウゲンボウ鬼ガラスなど、私たちの身近の鳥の名前を使っていて、彼らが大きくなった姿を想像すると微笑ましい。……車やヨットのレースがあるように、巨鳥のレースが出来るのも分かるし、渓谷を飛び抜けるスピード感溢れる姿も想像にたやすくて。
国を巡る陰謀もちょっとありそうですし、続刊が楽しみです♪

犬村小六「とある飛空士への追憶」
「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。
次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!?
...圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる! 蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。


とある読書ブログさんのおすすめで入手してみたのですが……
さわやか!

凄くキラキラとしたガラスのようにきれいな初恋物語でした。
身分の差のある少年と少女、二人きりの旅路、追手に追われ、つかの間の休息、そしてラスト……何もかも王道なのに、もう展開は読めているのに、それでも惹かれてしまいました。それが王道の強み。安心して読める。
惹かれあうようになる二人の、お互いへの敬意に満ちた心の距離の縮め方。
そして洋上の旅路での美しい光景は、戦いのシーンでさえ、あくまで複数の敵から「逃げる」ことを前提としているので生臭さを感じないでスリルとヒーローの技術の素晴らしさを味わうことができます……観ていて映画のように心の中で飛行機の姿を思い浮かべながら読んでいました。
圧巻はやはり二人のラストシーン。
映像化で観たいような、自分の心のなかで浮かんだこの光景を大事にしたいような、……
そしてエピローグがまた心憎いんです。
私にとっては、過不足なく完成された物語です。
何度も読み返したいのではなく、宝物として大切にとっておいきたい本。

「ローマの休日」を彷彿とさせるところもあり……とこの記事を書くためにアマゾンさんにいったら作者さん本人が「『ローマの休日』 」+「『天空の城ラピュタ』 」を意識していたと書いてありました。なるほど。あとがきがないのでこの作品に対する作者さんの意識が分からなかったので、知ることができてよかったです。
ご不満な方の意見も分かりますが、「物語」として楽しめたものがち、かな。



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